少しきれいめなデニムを選ぶ際に、濃紺デニムかブラックデニムで迷ったことはないでしょうか。
この2本は見た目が似ているぶん、商品ページや写真だけだと違いが分かりにくいところがあります。どちらも落ち着いて見えるので同じようなパンツに感じやすいのですが、実際に自分の服に合わせてみると、上に何を合わせやすいか、靴まで含めてどうまとまるかなど案外同じではありません。
そこで今回は、濃紺デニムとブラックデニムの違いを整理しながら、きれいめに使うならどちらが取り入れやすいのかを順番に見ていきたいと思います。
濃紺デニムとは?特徴・強み
濃紺デニムは、色落ちがあまり進んでいない、深いインディゴデニムのことです。普通のブルーデニムより青さが前に出すぎず、それでいて黒ほど色が重くないので、きれいめにもカジュアルにも振りやすいのが大きな良さです。
このパンツが使いやすい理由は、まず合わせる色の幅が広いことです。白シャツ、グレーのニット、ネイビーのジャケット、ベージュのアウター、ブラウンの靴。このあたりと無理なく馴染むので、かなり使いやすさがあると思います。とくに、シャツやジャケットを少しでも着る人には、濃紺デニムの方が自然にまとまりやすいです。
もう一ついいのは、デニムらしさをちゃんと残しながら、ラフになりすぎにくいことです。黒だと少し緊張感が出る日でも、濃紺ならその感じがやわらぎます。逆に、明るいブルーデニムだと少し休日感が強く出る場面でも、濃紺なら大人っぽさを保ちやすい。このちょうどよさは、実際に穿いてみるとよく分かるところです。
とくに30代以降だと、頑張って見せたい訳ではないけれど、雑には見せたくない日が増えてくると思います。濃紺デニムは、そういう日の一本として本当に使いやすいのです。シャツと合わせても無理がないですし、スニーカーでも革靴でもしっくりくるので、一本あると助かる場面が多いと思います。
もちろん注意したいところもあります。色落ちが強すぎるものや、ヒゲやアタリが大きく入ったものは、きれいめというよりデニムらしさが前に出ます。今回のテーマで選ぶなら、色が深く残っていて、細すぎないストレートか、少しだけ裾に向かって細くなる形から見た方が使いやすいです。
ブラックデニムとは?特徴・強み
ブラックデニムは、デニムの生地感を持ちながら、見え方としては少しスラックス寄りに見せやすいパンツです。ブルーデニムよりもカジュアル感が抑えやすく、全体の色数も減らしやすいので、服をすっきり見せたい人には相性がいいです。
強みは、やはりモノトーンとのつながりやすさです。白Tシャツ、黒ニット、チャコールのアウター、黒いレザーシューズ、黒いスニーカー。このあたりをよく使う人なら、ブラックデニムの便利さはかなり分かりやすいと思います。パンツだけが主張しにくいので、全体を落ち着かせやすいですし、街っぽい服装にも寄せやすいです。
実際、ブラックデニムは「デニムを穿きたいけれど、いわゆる青いジーンズっぽさは少し避けたい」という人にはとても向いています。カジュアルなパンツなのに、どこか少し整って見えるので、きれいめに寄せたいときの選択肢としてはかなり優秀です。
ただ、ブラックデニムは万能という訳でもありません。ここは少し大事なところです。黒い靴や黒いアウター、黒寄りのトップスが手持ちにあまりない人だと、パンツだけ黒にしても思ったほど出番が増えないことがあります。ネイビー、ベージュ、ブラウンが多い人だと、濃紺の方が間に入りやすいです。
もう一つは、ブラックデニムは色の抜け方でも見え方が変わりやすいことです。真っ黒に近い状態ならきれいめに見えやすいのですが、色が抜けてグレーっぽくなってくると、少しラフな印象が出てきます。その変化もデニムの良さではあるのですが、きれいめで使うことを優先するなら、黒がしっかり残っているものを選ぶ方が入りやすいと思います。
染色について

少し話がそれますが、デニムの話題で避けては通れない「染色」の話にも触れておきたいと思います。
濃紺デニムもブラックデニムも、見た目は近くても、糸をどう染めているかは同じではありません。デニムは一般的に、経糸を染めて、緯糸には白い糸を使って織ることであの表情が出ます。濃紺デニムでは経糸をインディゴで染めることが多く、ブラックデニムでは黒系の染料で染めた糸を使うことが多いです。
このときによく使われるのが、ロープ染色と呼ばれる方法です。これは糸をロープ状に束ねて染液にくぐらせ、引き上げて空気に触れさせて酸化させる工程を何度も繰り返すやり方です。濃紺デニムなら主にインディゴ染料、ブラックデニムならサルファ染料のような黒系の染料が使われることが多く、大まかな工程は近くても、使う染料が違うので色の出方や色落ちの仕方が変わるのです。
ここで大事なのが、中白という状態です。これは糸の芯まで完全に染め切らず、表面を中心に色をのせた状態のことです。デニムが穿き込むほど表情を変えていくのは、この中白の構造があるからです。濃紺デニムは表面のインディゴが落ちていくことで青みを残しながら馴染んでいきますが、ブラックデニムは表面の黒が抜けるとグレーっぽさが出やすく、そのぶん真っ黒のときよりラフに見えやすくなります。
ちなみに、古着の文脈でよく出てくる先染めと後染めですが、先染めというのは、糸を染めてから織る生地のことです。後染めは、生地に織ってから染めるものや、製品にしてから染めるものを指します。ブラックデニムは見た目だけで先染め・後染めを決めつけて語られることもありますが、実際にはそこまで単純でもないのです。
さすがこれ以上は横道に逸れすぎるので、また別の機会に解説したいと思いますが、とにかく今回の比較で見るなら、まずは「ブラックデニムは真っ黒の状態だときれいめに寄せやすいけれど、色が落ちてグレーっぽくなるとデニムらしいラフさが出やすい」と押さえておくと十分です。
シーン別どっちがきれいめで使いやすい?
まず、白シャツやオックスフォードシャツ、ネイビージャケット、ローファーのような定番のきれいめ服と合わせるなら、濃紺デニムの方が使いやすいです。青みが少し入ることで、トップスと靴のあいだが自然につながりやすく、パンツだけが浮きにくくなります。きれいに見せたいけれど、少しかしこまりすぎるのは避けたいときにも濃紺はちょうどいいです。
逆に、黒ニット、黒ブルゾン、サイドゴアブーツ、黒いレザースニーカーのように、全体を暗めの色でまとめることが多いなら、ブラックデニムの方がはまりやすいです。秋冬はとくにこの差が出やすく、アウターも靴も黒に寄るなら、ブラックデニムの方が自然にまとまることがあります。
休日にカフェや食事に行くくらいの、少しだけ整って見せたい場面なら、濃紺デニムの方が幅広く使いやすいです。ブラックデニムはうまくはまるととてもかっこいいのですが、合わせによっては少し緊張感が出ます。濃紺はそのあたりがもう少し柔らかく、頑張って見えにくいのがいいところです。
なので、どちらか一本だけ選ぶならどっちか、という問いに向き合うときは、「自分の手持ちの服は何色が多いか」を先に見た方が分かりやすいです。ネイビー、グレー、ベージュ、茶靴が多いなら濃紺。黒アウター、黒靴、モノトーンのトップスが多いなら黒。この見方をすると、かなり選びやすくなります。
おすすめアイテム
おすすめアイテムは、きれいめで使いやすいことを前提にしつつ、ブランドごとの良さが分かりやすいものを挙げます。
濃紺デニムで最初に挙げたいのは、MOMOTARO JEANSの「#100 STANDARD STRAIGHT 14.7oz」です。特濃のインディゴを前面に出したモデルで、太ももまわりには適度に余裕があり、裾に向かってはごく緩やかに細くなっています。

股上も浅すぎないので、30代以降がきれいめに穿く一本としてとても勧めやすいです。濃紺デニムの良さをしっかり味わいたいなら、まず見ておきたい一本だと思います。
もう少し取り入れやすい価格帯で見るなら、リーバイスの「502 テーパードフィット ジーンズ ダークインディゴ」もおすすめです。
502は裾に向かって自然に細くなる形なので、スニーカーにも革靴にもつなげやすく、細身すぎるパンツが少し苦手な人にも入りやすいです。濃紺デニムをきれいめに使いたいけれど、本格的すぎる一本から入るのは少し迷う、という人にはちょうどいいと思います。

ブラックデニムなら、Japan Blue JeansのStretch Slim Jeans 12oz blackも良いと思います。ブラックデニムは重たく見えやすいこともありますが、このくらいの細身ストレートなら、黒のトップスや黒い靴とつなげやすく、30代以降でも無理なく取り入れやすいです。ブラックデニムをきれいめに穿いてみたい人の入口として、ちょうど見やすい一本だと思います。

まとめ
濃紺デニムとブラックデニムは、見た目が少し近いぶん、最初は違いが分かりにくいかもしれません。実際、商品ページだけを見ていると、どちらも落ち着いた大人向けのパンツに見えます。
ただ、自分の服に合わせて考えると、この2本は案外性格が違います。濃紺デニムは、ネイビー、グレー、白、ベージュ、ブラウンとつながりやすく、シャツやジャケットにも合わせやすいので、一本目として出番を作りやすいです。ブラックデニムは、モノトーン中心の服装や黒い靴が多い人にはとても便利ですが、その前提がないと濃紺デニムの方がやや使いやすいかなと思います。
この違いは、穿いてみると本当によく分かります。
最後は好みもあるので、ぜひ一度、穿き比べてみてはいかがでしょうか。
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