インディゴ(紺色)のデニムは何本か持っている方でも、ブラックデニムは履いたことがないという方もいるのではないでしょうか?
インディゴデニムは、その日の気分で色落ちやシルエットを選んだり、コーディネートにも合わせやすく万能なアイテムといえますが、実はブラックデニムも非常に使いやすいアイテムで、インディゴデニムとは少しちがう役割を持った、日常のベースになりやすい一本なのです。
今回は、そんなブラックデニムのコーディネート方法などを解説していければと思います。
インディゴデニムとブラックデニムのちがい
まずは、いつものインディゴデニムと比べながら、ブラックデニムの特徴を整理してみます。
見た目の印象のちがい
インディゴデニムは、かなりカジュアルな印象が強いアイテムです。色落ちやアタリが表情になり、ラフな雰囲気をつくってくれます。その一方で、場面によっては、くだけて見えすぎることもあります。
ブラックデニムは、同じデニムでも見え方が変わります。
色が暗く、コントラストも弱いので、全体が締まって落ち着いて見えやすいです。きれいめのアイテムとも合わせやすく、カジュアルときちんとした雰囲気のあいだをうまくつないでくれます。都会的なルックと言っても良いかもしれません。
合わせやすいトップスのちがい
インディゴデニムは、白いTシャツやスウェット、チェックシャツなど、カジュアルなトップスと相性がいいです。休みの日の服をそのまま合わせれば、だいたい形になります。
ブラックデニムは、合わせられる範囲がもう少し広くなります。
シャツ、ニット、ジャケットのような、ややきれいめのアイテムともなじみやすく、モノトーンやネイビー系でまとめると、自然と落ち着いた印象になります。
インディゴがカジュアル寄り、ブラックが少しきれいめ寄り。このくらいのイメージを持っておくと、選びやすくなると思います。
使いやすいシーンのちがい
インディゴデニムは、休日やレジャー、旅行など、気楽に過ごす場面でとくに活躍します。
色落ちした一本なら、なおさらラフな雰囲気を楽しみやすいです。
ブラックデニムは、仕事ともつながる日常で使いやすい一本です。
カジュアル寄りの職場、在宅と出社を行き来する生活、仕事帰りにそのまま食事に行く日など、「少しだけきちんとしておきたい」というときに、ちょうどよく収まります。
子どもの行事や、親世代と会う日など、清潔感は出しておきたいけれどスーツまでは必要ない場面でも使いやすいです。
経年変化との付き合い方のちがい
インディゴデニムには、はき込むほどに色落ちやアタリが出てくるおもしろさがあります。
いわゆる「育てる」楽しみ方がしやすいのがインディゴです。
ブラックデニムも、同じデニムではあるのですが少し考え方が違います。
もちろん色は落ちていきますが、インディゴのように表情の変化を前面に出すというよりは、「どれだけきれいな状態を保てるか」という視点で見たほうが扱いやすいです。
ブラックデニムとひと口に言っても、作り方はいくつかパターンがあります。
一般的なのは、経糸(たて糸)を黒、緯糸(よこ糸)を白にした生地です。このタイプは、はき込んでいくうちに表面の黒が少しずつ落ちて、うっすらと白っぽさやグレーっぽさが出てきます。
ほかにも、糸の段階で黒く染めた先染めのものや、生地になってからまとめて黒く染めた後染めのものなどがあり、どれを選ぶかによって、色落ちしたときの見え方が変わってきます。
はき込むうちに、少し表情が出てきてほしいなら、経糸黒×緯糸白のタイプ。
なるべくフラットな黒をキープしたいなら、深い黒に染められた生地を選ぶ、といったように、自分がどんな変化を好むかをイメージしておくと、ブラックデニム選びが少し楽になります。
仕事にも使いたいなら、色が抜けすぎる前に買い替える、という考え方も悪くありません。
大人が選びやすいブラックデニムの条件
ここからは、30〜50代の男性が、初めてでも使いやすいブラックデニムを選ぶときのポイントを整理していきます。
シルエットは「細身ストレート〜ゆるいテーパード」
扱いやすいのは、細すぎないストレートか、裾に向かって少しだけ細くなるテーパードシルエットです。
ピタッとしたスキニー
→ 今の空気感では、やや無理をしているように見えやすい極端に太いワイド
→ コーディネートの難易度が上がる
という意味で、その中間くらいを選んでおくと安心です。
太ももからふくらはぎまで、軽くゆとりがありつつ、膝から裾にかけてすっきり落ちていく形。
鏡で見て「脚のラインは出ていないけれど、ダボダボでもない」と感じるくらいがちょうどいいバランスです。
丈は「靴とのすき間が少し見える」くらいを基準に
ブラックデニムは、インディゴよりも丈をすっきりさせたほうがきれいです。
立ったときに、くるぶしあたりに軽く触れるくらい
ローファーやレザーシューズなら、ワンクッションつくかつかないか
このあたりを基準にして、好みに合わせて少しだけ調整すると扱いやすくなります。
ロールアップを重ねて調整しすぎると、一気にカジュアル寄りになります。
一折りまでにしておいて、基本は丈そのものを合わせておくと、大人っぽいバランスにまとまりやすいです。
色味は「真っ黒〜軽めのウォッシュ」まで
ブラックデニムといっても、真っ黒に近いものから、少しだけ色が抜けたものまで幅があります。
仕事寄りにも使いたい
→ 真っ黒に近いもの、ステッチも黒〜ダークグレーのもの休日中心で使いたい
→ 軽くウォッシュが入っているものでも十分
というように、使う場面から逆算すると選びやすくなります。
強い色落ちやダメージ加工は、インディゴデニムならまだしも、ブラックだと急に存在感が強くなりがちです。
最初の一本は、装飾の少ないシンプルなものを選んでおくと失敗しにくいです。
ステッチとパーツは控えめなものを
ポケットのステッチが目立ったり、リベット(金具)やボタンがギラついていたりすると、カジュアル感が前に出てきます。
ステッチは黒〜濃いグレー
リベットはシルバーか黒で、あまり光らないもの
このあたりを目安にしておくと、シャツやジャケットと合わせても浮きにくくなります。
シーン別 ブラックデニムの使い方
ここからは、具体的な場面をイメージしながら、ブラックデニムの合わせ方を考えてみます。
平日:ジャケットと合わせるとき
ブラックデニム
ネイビーやチャコールのジャケット
白かサックスブルーのシャツ
黒かダークブラウンのレザーシューズ
このくらいそろえると、デニムでもかなり落ち着いた印象になります。ドレスコードがあまり厳しくない職場なら、十分になじむ組み合わせです。
同じ合わせをインディゴデニムですると、もう少しカジュアル方向に寄っていきます。
きちんと見せたい日ほど、ブラックを選んだほうが安心です。
休日:ニットとスニーカーで過ごす日
ブラックデニム
クルーネックのニット(グレー、ベージュ、ネイビーなど)
シンプルな白やグレーのスニーカー
力を入れすぎず、それでもだらしなくは見せたくない休日には、このくらいの組み合わせがちょうどいいです。インディゴデニムを合わせると、もう少しラフでにぎやかな雰囲気になり、静かめにまとめたい日には、ブラックのほうがバランスを取りやすいです。
家族や親世代と会う日:シャツと合わせるとき
ブラックデニム
オックスフォードシャツやバンドカラーシャツ
必要に応じて、カーディガンかライトアウター
ローファー、またはきれいめなスニーカー
いわゆる「きちんとしすぎず、でもラフすぎない」というラインを狙いたいときの組み合わせです。シャツをタックインしなくても、ブラックデニムなら全体がまとまりやすく、写真を見返しても落ち着いた印象が残るので良いと思います。
ブラックデニムのケアと買い替え
最後に、ブラックデニムならではのケアと買い替えについても触れておきます。
色を守りつつ、清潔感を優先する
ブラックデニムは、色を完全に保つことよりも、清潔感を優先したほうが現実的です。
洗う際も極力色落ちを避けるために裏返して洗う
擦れ防止のために洗濯ネットに入れる
乾燥機と直射日光を避けて陰干しする
このあたりを押さえておけば、必要以上に気を張らなくても大丈夫です。
「色を落とさないために、ほとんど洗わない」という発想だと、どうしても清潔感が犠牲になります。においが気になってきたら、素直に洗ってしまったほうが、結果的に長く使えます。
買い替えのタイミングを決めておく
ひざが大きく抜けて、シルエットが崩れてきた
全体の生地にテカリが出てきた
色が抜けて、白みが出てきた
こういったサインが見え始めたら、仕事寄りの場面で使うのはそろそろ引退させてもよい頃です。その一本を休日専用に回して、新しくきれいなブラックデニムを一本足す。
この入れ替えを続けていくと、クローゼット全体の印象も整えやすくなります。
インディゴとブラックで役割を分けておくと、迷いが減る
インディゴデニムには、インディゴならではの良さがあります。
色落ちやアタリを味として受け止めてくれるので、休日にラフに過ごしたいときにちょうどいい存在です。
一方、ブラックデニムは、仕事と生活がつながっている今の暮らしのなかで、安心してはいていける一本です。きちんとしたい日と、少し力を抜きたい日のあいだを行き来するときに、全体を静かに整えてくれます。
休日に思いきりカジュアルで過ごしたい日はインディゴデニムを、仕事ともつながる日常や、少しだけきれいに見せたい日はブラックデニム、このような感じで選ぶといいかもしれません。色で役割を分けておくだけで、朝の服選びもだいぶ楽になります。その中で一本、基準になるブラックデニムを持っておくと、大人のワードローブはぐっと扱いやすくなります。
ちなみに筆者は、中学から専門学校の頃まで、リーバイスのストレートシルエットのブラックデニムを愛用していました。膝あたりが擦れて破れ、最終的には生地が千切れるまで履きました。それくらい思い入れのあるアイテムです。ぜひ、お気に入りの一本を見つけてみてください。
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