WardRove

なぜファッション初心者ほどハイブランドに行き着きやすいのか

公開日:

2026/2/9

by

Ryota Shimajiri

WardRove創設者。東京都出身。洋服の縫製工場を営む父方の実家の影響で、幼少期からファッションに親しむ。文化服装学院を卒業後、アパレルメーカーにて生産管理や新ブランド立ち上げを経験。 その後IT業界へ転身し、開発・執筆・マーケティング・プロダクト企画と、クリエイティブからビジネスまで一貫して手掛ける。フォーマルアドバイザー、カラーコーディネーターなどの資格を保有。

ファッションに慣れていない人ほど、最初の選択肢としてハイブランドを思い浮かべやすくなります。これは見栄や背伸びというより、何を基準に選べばいいか分からない状態で服を買おうとしたときに起きやすい判断の流れです。

たとえば「年齢的に、そろそろちゃんとした服を着たほうがいい気がする」と思ったとき、具体的に何を買えばいいかは分からない。セレクトショップに入っても、知らないブランド名が並び、値段の理由も判断できない。そうなると、少なくとも名前を知っているブランドに目が向きます。

今回は、なぜファッションに慣れていない人ほど、ハイブランドに行き着きやすいのかを考察していきたいと思います。

分かる要素が多いほど、選びやすくなる

初心者でも、ハイブランドの名前は聞いたことがあります。街中やSNSでも繰り返し目にしているからです。一方で、ミドルブランドやドメスティックブランドは、興味を持たない限り名前を覚える機会がなかなか少ないのが現状です。

さらに、ロゴや象徴的なデザインがあると判断がしやすくなります。たとえば黒のTシャツが並んでいても、無地だと違いが分かりませんが、ブランドの意匠がはっきりしていれば「どこのものか」が一目で分かる。自分の中でも選んだ理由として整理しやすく、初心者ほどこの分かりやすさに助けられるのです。

「高い=良い」に判断を任せたくなる理由

素材や縫製、シルエットの違いが分からない段階では、価格が主な判断材料になります。3万円と10万円の服が並んでいたら、「高いほうが失敗しにくい」と考えるのは自然な感覚です。知識がない以上、価格に判断を預けるしかないからです。

ただ、この選び方だと、着る回数までは考えにくくなります。デザインが強すぎて合わせづらい、気を遣って普段使いできない、結果としてクローゼットに残る。価格と満足度がそのまま比例しない場面が出てきます。

ハイブランドが持つ「良さ」と、初心者にとっての難しさ

ハイブランドの良さは、素材や作りの水準が高いことだけではありません。長い時間をかけて積み上げてきた歴史があり、ブランドごとの価値観がはっきりしています。その背景に納得した上でお金を払える点が、大きな強みです。デザインも流行に寄せすぎず、定番として長く続く型や、ブランドを象徴する意匠が多いため、結果的に何年か後も使いやすいものを選びやすい側面があります。

また、ハイブランドは物としての性能だけでなく、背景込みで選ばれています。創業の経緯や文化との結びつき、どういう人に向けて何を表現してきたのか、といった情報が揃っていて、その考え方に共感して購入する人も多い。そうしたアイテムを身につけることで、服装の方向性が揃いやすくなり、自分のスタンスを示しやすくなる、という効果もあります。

ただし、こうした良さは初心者にとっては扱いづらい面にもなります。値段が高いのはもちろんですが、選び方を間違えると「気を遣って着なくなる」「合わせ方が分からず出番が減る」が起きやすい。ハイブランドは明確に世界観があるため、慣れていない人が身につけると浮いて見えやすいので注意が必要です。

先に把握したいのは「自分がどんな服を着たいか」

ブランド名や価格の前に整理しておきたいのは、自分がどんな雰囲気の服を着たいのか、という点です。アメカジが好きなのか、きれいめが落ち着くのか、装飾の少ない服が合うのか。この辺が曖昧なままだと、選ぶ基準が毎回ぶれてしまうためテイストもごちゃごちゃになりがちです。

その確認方法として、たとえば雑誌を使うのもおすすめです。特定のブランドではなく、似た雰囲気の服がまとめて載っているため、「良いと思う服」と「そうでもない服」が自然に分かれてきます。その積み重ねで、ロゴや価格よりも、服の雰囲気で判断できるようになります。

まとめ

初心者がハイブランドに行き着きやすいのは、名前やデザイン、価格といった分かりやすい要素が揃っているからです。

一方で、ハイブランドには明確な世界観があり、慣れていない状態で取り入れると扱いづらく感じることもあります。先に自分がどんな服を着たいのかを整理しておくと、ブランド名や価格に振り回されず、着る前提で服を選びやすくなるのではないでしょうか。

こちらの記事もおすすめ

ドメブラ(ドメスティックブランド)とは?言葉の意味と歴史をわかりやすく解説

DCブランドとは?歴史や代表的なブランド・違いを詳しく解説

ハイブランドのセカンドラインとは?役割と時代背景から違いを整理する

ライセンスブランドとは?日本のファッションで広がった理由と仕組みを整理する

インポートブランドとは?意味と歴史、メンズが選ぶときの基準

WardRoveでは他にもコーディネート術からアイテム選びなど、ファッションに役立つ情報を発信中です。

理想のワードローブの参考に、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。

CATEGORY

FEATURED

2026/5/22

ニューバランスのおすすめモデルはどれ?定番モデルの違いと選び方を解説

皆さんはニューバランスを選ぶとき、何を基準にしていますか?とりあえず人気モデルから順番に見ていく人も...

2025/4/27

Y2Kファッションとは?今さら聞けない意味と失敗しない着こなし方

(サムネイル画像出典: descente store)「Y2K」とは「Year 2000(西暦200...

2025/3/16

ドレスコード早見表!大人のメンズ向けビジネスカジュアル・オフィスカジュアル・スマートカジュアルの違いと着こなしのポイント

ドレスコードとは、特定の場面や環境で求められる服装のルールのことです。とくにビジネスや社交の場では、...

2025/3/14

服の値段は高すぎる?アパレル業界の原価構造や価格の決まり方

私たちが日々目にするアパレル製品。その価格設定はどのように決められているのでしょうか?実際の製造原価...

2025/5/13

大人のキャップ入門!30代・40代メンズ向け失敗しない選び方・かぶり方・コーデ術を紹介

キャップというと「若者のアイテム」という印象を持っている方も多いでしょうか。確かに、ストリートやカジ...

2025/5/23

シティボーイって何?今さら聞けないその意味と、着こなし・ライフスタイルまで徹底解説

「シティボーイって聞いたことはあるけれど、どういう意味?」「服の系統?それともライフスタイル?」今回...

2025/3/15

30代からのハイテクスニーカー!年代別メンズのための選び方とおすすめモデルを紹介

スニーカーを選ぶ際に、よく「ハイテク」や「ローテク」という言葉を見かけることがありませんか?この「ハ...

2025/8/12

プレッピースタイルとは?初心者でも取り入れやすい大人の着こなし方

「Preppy(プレッピー)」とは、アメリカ東海岸にある名門私立高校(Preparatory Sch...

2025/2/11

カシオのG-SHOCKって何がすごい?種類と選び方を詳しく解説

時計といえば“壊れやすい”というのが当たり前だった時代に、「絶対に壊れない時計をつくる」という大胆な...

2025/4/13

テック系ファッション入門、ガジェット好きのための服とバッグの選び方

スマホにワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリー、ケーブル類。人によってはタブレットやノートパソコンま...

2026/4/20

HUMAN MADEは何がすごい?コラボと限定販売で強くなるブランド戦略

HUMAN MADEは、NIGO氏が2010年に立ち上げたライフスタイルブランドです。「The Fu...

2026/5/20

夏にビーニーはあり?暑苦しく見えない素材と選び方を解説

夏の暑い時期にビーニーをかぶるのは、ちょっと勇気がいりますよね。見た目的にもビーニーはニット帽に近い...

2026/1/30

WardRove(ワードローブ)について

※このページは、WardRoveの編集方針と考え方をまとめたものです。WardRoveは、「Ward...